左手に天びんを持つ女神テミスは大学教授のヒ素鑑定をどう裁く
(「雑魚を数えて呑舟の魚を取り逃がす」別の言葉では木を見て森を見ない)
How does Themis, the goddess with a balance in her left hand, judge a university professor's arsenic test?
出鱈目な科学鑑定をした私立大学教授はどのような風の吹き回しか「世界で一番受けたい授業」ともてはやされていた
SPring-8を使ってのヒ素の分析であった。精密すぎるハカリを用いたためにハカリの針の動きにとらわれすぎて質量の総体を見なかったのだ。電子顕微鏡のように1個の原子を見るような分析装置では濃度を分析することはできない。試料中に含まれるヨウ素デンプン反応、赤外分光、比較的高濃度の
Ca や Si のような軽元素分析なども含めた総合的判断を行うべきであった。「雑魚を数えて呑舟の魚を取り逃がす」、別の言葉では木を見て森を見ないということをしていた。裁判官は雑魚を数えるがとごくの科学分析に惑わされて、総体としてのクジラを見る目を奪われた。その後に物々しいSPring-8という装置を使っての分析と同じことを卓上に乗る装置がするようになった。